日本口腔インプラント学会誌
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インプラントカラー部の形状・性状とインプラント周囲炎との関連
堀内 克啓
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29 巻 (2016) 4 号 p. 208-218

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抄録

インプラント治療は予知性が高いことから,歯の欠損補綴の第一選択肢と考えられるようになった.しかし,インプラント治療には種々の合併症があり,その中でもインプラト周囲炎が最も多く,その成因は単一のものでなく,宿主に関連する因子もあるが,インプラントシステムに関連する因子も含め,様々な因子が複雑に絡み合っていることから,治療に難渋するケースも多く,極度に進行した場合にはインプラント撤去を余儀なくされる.そのリカバリー処置としては,骨造成を含めたかなり高度なインプラント治療が必要となる.したがって,インプラント周囲炎は長期予後に最も関係することから,インプラントのオッセオインテグレーションのみを考慮するだけではなく,インプラント周囲骨の吸収防止や粘膜貫通部でのソフトティッシュ・シーリングの獲得によってインプラント周囲骨・軟組織の保全を図ることが,インプラント周囲炎の対策といえる.

具体的なインプラントシステムにおける工夫点としては,①インプラントカラーの表面加工・形状・性状は周囲骨の吸収が少なく,ソフトティッシュ・シーリングが期待できるように,②インプラントカラー部のデザイン(カラー部の形状だけでなく,マイクロスレッドやマイクログルーブも含め)を周囲骨の吸収が少なく,ソフトティッシュ・シーリングが期待できるように,③インプラントとアバットメントの界面に存在するマイクロギャップによる周囲骨吸収の影響をなくすか,マイクロギャップが存在しない連結様式にするなどが挙げられる.

本稿では,自験例であるmachinedインプラント(Nobel Biocare AB, Sweden),チタン表面を陽極酸化処理した粗面加工のTiUnite インプラント(Nobel Biocare AB, Switzwerland),レーザー・アブレージョンにて規則的な溝を有するLaser-Lok®(以下L-Lと略す)インプラント(Biohorizons, USA)に関する臨床統計的観察も含め,前述の3項目について,インプラント周囲炎との関連性に関する現状と今後の展望について解説したい.

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© 2016 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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