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日本口腔インプラント学会誌
Vol. 29 (2016) No. 4 p. 219-225

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http://doi.org/10.11237/jsoi.29.219

特集

インプラント治療が補綴処置として広く一般的に行われるようになったが,インプラント周囲炎・周囲粘膜炎もまたインプラント埋入後の合併症として日常的に認められるものとなった.現段階でインプラント周囲炎に対する治療法の多くは臨床経験にもとづくものが多く,確固たるデータに欠け,不確実さを伴うものとなっている.それゆえインプラントのメインテナンスにおいては,可逆性の病変であるインプラント周囲粘膜炎の段階でトラブルを発見し,これが進行する前に治療を行う必要がある.さらに,これら疾患の発症リスクを理解し,予防につとめることも重要である.

インプラント周囲炎は歯周炎と同様,多因子性の疾患である.現在のところプラークやその沈着を可能にさせる上部構造の形態などの局所的因子は,インプラント周囲炎に対する真のリスクファクター・リスクインジケーターとして確実視されている.一方で本稿では,特に生体の感染に対する感受性に影響する全身的因子に着目して文献的考察を行った.その結果,現在,全身的リスクファクターとして挙げられている多くの疾患や遺伝形質などは,それをリスクと確定するには科学的根拠を欠いていることが明らかとなった.ただし,その中で糖尿病と喫煙についてはインプラント周囲炎との関連を示唆するデータが蓄積されつつあるといえる.

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