2019 年 32 巻 1 号 p. 27-33
インプラント治療成功の要因は適切な顎骨の高さや幅,解剖学的構造物との適切な距離,たとえば下顎管や上顎洞および鼻腔等との関係などが重要である.エックス線CT(以下CTとする)検査の導入が欧米を中心に始まり,CTを用いないでインプラント治療を行う臨床医が非常に少数になりつつあるほど,インプラントのCT検査が普及してきている.CT利用によるインプラントの術前検査の有効な最大要因はコンピュータソフト利用による,顎骨のあらゆる方向からのCT断面像,クロスセクショナル画像,パノラマ再構成画像,三次元立体画像による術前診断である.今回の総説では,口腔インプラント治療をするうえでの基本的なCTの原理の理解や画像診断による鑑別診断の重要性,およびコンピュータソフト利用によるインプラント治療への臨床応用を述べる.