日本口腔インプラント学会誌
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総説
口腔インプラント学の2040年に向けたイノベーションロードマップ:日本口腔インプラント学会にはこれから20年何が求められるのか?
窪木 拓男
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2021 年 34 巻 2 号 p. 115-123

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抄録

これまで日本口腔インプラント学会は,オッセオインテグレーションの発見を基に,治療技術の開発と教育に強く携わってきた.今後,本学会の最も重要なミッションとなるのは,口腔インプラント治療により,患者がどのようなメリットを享受でき,負担を強いられるのかを科学的に説明できるようにすることである.一方,治療技術のイノベーションにも率先して取り組むべきで,遠からず,自家骨移植は,間葉系幹細胞,生体材料や成長因子の応用により必要最小限になるだろう.インプラント周囲炎は,予防,もしくは治療可能とならなければならない.また,介護現場の問題や非感染性疾患(NCDs)である歯槽骨減少症や硬化症の問題,ひいては,薬剤関連性顎骨壊死の問題も解決されなくてはならない.もしかすると,歯根膜をもつインプラントや歯の再生が可能となるかもしれない.これらにより,患者が享受できるメリットが最大化され,国民が安心して口腔インプラント治療を受けられるようになるはずである.願わくは,これらのイノベーションがわれらJSOIから生まれてほしいということである.

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© 2021 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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