日本口腔インプラント学会誌
Online ISSN : 2187-9117
Print ISSN : 0914-6695
ISSN-L : 0914-6695
特集 デジタルテクノロジーが変革するインプラント治療
デジタル技術を用いた顎運動解析と口腔インプラント治療
米澤 大地
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 37 巻 1 号 p. 26-38

詳細
抄録

口腔インプラント治療の分野におけるデジタルテクノロジーの応用の一環として,デジタル顎運動測定器を使用した顎運動診断が進展している.下顎切歯部の動きを解析することで顎口腔機能の評価が容易になった.加えてデジタル技術により,顎関節相当部における顆頭の動きも詳細に解析することが可能になった.特にD型と言われる犬歯関係において,作業側顆頭が後方に動くとされる状態を解析できることは有用だと考える.

また,デジタル顎運動解析データの補綴装置製作への応用も可能となった.これによりバーチャル咬合器を設定し,顎運動時に臼歯部が干渉しない咬合を提供することができる.しかし,デジタルとアナログ間のコミュニケーション時には,上顎の正確なマウントが求められるという問題が存在する.また,側方運動の計測データは顆路か,それとも顆路様の歯の誘導路かという違いが整理されていない課題も存在する.歯の誘導路を計測する場合は,プロビジョナルレストレーションで生理的な咬合を付与したものを最終補綴装置に移行する手段としての顎運動測定が必要となり,歯の誘導路を除外した顎関節固有の顎運動データを用いて最終補綴装置に適用する手法は,別のアプローチとなる.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人日本口腔インプラント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top