日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム3「口腔がん検診〜マネージメントとアセスメント〜」
中津市における公的対策型口腔がん検診:検診の質と有効性を維持するための管理体制
永尾 美樹
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2017 年 29 巻 3 号 p. 103-110

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抄録

大分県中津市では2010年から公的対策型の口腔がん集団検診を行っている。年3回の検診を中津歯科医師会に委託し,大分大学医学部附属病院と九州歯科大学附属病院から派遣された口腔外科医が診察を行う。検診定員は約100人/回で,2010~2016年の7年間で2,365人を診察し,口腔がん3人および口腔潜在性悪性疾患119人に,大学附属病院で精密検査を受けるように指導した。
検診の質と有効性を維持するために,年度初めに中津市,中津歯科医師会,大学からそれぞれの代表者が集まって「口腔がん協議会」を行い,前年度の検診実績報告,前年度要精査者の精密検査実施状況の確認,検診全体の管理体制の見直し,受診勧奨対象(喫煙者などのハイリスク者)の選別について協議している。
この検診が住民の口腔疾患に対する関心を高めることに役立ち,さらに口腔がん死亡率低下と治療後のQOLの維持につながることを期待している。

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© 2017 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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