日本口腔腫瘍学会誌
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画像上の経時的変化と病理像との対比
林 孝文
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1998 年 10 巻 4 号 p. 282-287

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抄録

およそ1か月に1回の頻度のUSによる経時的変化の追跡により, リンパ節内の微小転移巣を高エコー域として検出し得たN0舌癌の3症例を供覧した。これらはいずれも患側中内深頸リンパ節であり, CTでは検出不能であった。高エコー域は, 病理組織学的には著明な角質変性の反映であり, 初診時には認められなかったが, ある時点で出現するという顕著な変化を示していた。N0舌癌の画像によるリンパ節の経時的変化の追跡においては, 特に中内深頸リンパ節の動向に留意すべきと思われる。USによる経時的変化の追跡は, 可能ならば2週に1回, 少なくとも1月に1回の間隔で行うべきと考える。

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