日本口腔腫瘍学会誌
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歯原性腫瘍109症例の臨床統計
和田 重人岳 麗華川上 由美高橋 勝雄竹口 英人高桜 武史小杉 弘美岩井 正行古田 勲
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2000 年 12 巻 2 号 p. 47-53

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抄録

1980年4月から1997年3月までの17年間に, 富山医科薬科大学医学部歯科口腔外科において診断された109例の歯原性腫瘍について, 1992年のWHO分類に基づき臨床的検討を行い以下の結果を得た。
1.組織型別症例数では, 集合性歯牙腫51例 (46.8%) , 次いでエナメル上皮腫35例 (32.1%) , 複雑性歯牙腫17例 (15.6%) であり, 残りの6例 (5.4%) は4例が良性腫瘍, 2例が悪性腫瘍であった。
2.性別頻度では男女比1: 0.9であった。初診時年齢は6歳から71歳に分布しており, 平均年齢は26.7歳であった。症例全体の約70%が30歳以下であった。
3.主訴のほとんどが腫脹 (35.8%) あるいは歯の萠出異常 (25.7%) であった。エナメル上皮腫では, 約70%が腫脹であった。
4.発生部位では, 43例 (39.4%) が上顎, 66例 (60.6%) が下顎であった。エナメル上皮腫の下顎臼歯部, 集合性歯牙腫の上顎前歯部, 複雑性歯牙腫の下顎臼歯部における好発傾向が認められた。

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