日本口腔腫瘍学会誌
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口腔扁平上皮癌に対するExcisional biopsyの適応と実際
楠川 仁悟亀山 忠光
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2001 年 13 巻 Suppliment 号 p. 261-265

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抄録

悪性の診断のために通常組織内生検が行われるが, 腫瘍への切り込みは癌細胞播種や悪性度を助長する危険がある。直視直達が可能な口腔では, 注意深い視診と触診のみで悪性病変か否かの診断は可能である。そこでわれわれは, 早期の限局性口腔癌に対して, 組織内生検による癌細胞播種を防ぎ, 原疾患の制御のためにExcisional biopsyを行っている。原則的に, 原発巣の切除のみで十分に治癒が望める病変にExcisional biopsyを適応している。悪性度評価のために, 臨床視診型に基づいて口腔内超音波検査による腫瘍深達度 (usD) 評価を行っている。表在型やusD15mm未満の外向型ではルゴール染色を併用して切除し得る。さらに, usD8mm未満の内向型は術前化学療法を併用したExcisional biopsyにより治療できる。確実な切除のために, 術中迅速凍結切片診断を併用した凹型あるいは箱形切除を行っている。
Excisional biopsyは口腔癌患者のQOL向上に効果的な治療法である。

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