日本口腔腫瘍学会誌
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口腔癌に対する選択的頸部郭清術の適用条件
青木 伸二郎川辺 良一藤田 浄秀
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2001 年 13 巻 Suppliment 号 p. 325-329

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抄録

口腔癌に対する選択的頸部郭清が行われる際の適用条件をその実施成績から検討した。1989年から1999年の間における肩甲舌骨筋上郭清術42例と保存的頸部郭清術52例を調査した。臨床的N0の症例における組織学的転移陽性は, 肩甲舌骨筋上郭清術群では32例中6例 (14.3%) , 保存的頸部郭清術群では18例中10例 (55.6%) に認められた。両手術群間に, 5年生存率の明らかな有意差はなかった。しかし両手術とも術前治療奏功例では, 非奏効例と比較して, 生存率は良好であった。N1, 2とpN+症例のうち, レベルIV, Vへの転移例は中咽頭癌あるいは中咽頭へ浸潤した症例であった。
以上より選択的頸部郭清として肩甲舌骨筋上部郭清術が有効に適用される場合の条件として, 術前治療が奏功していることが挙げられる。また中咽頭へ浸潤した口腔癌では, 保存的全頸部郭清術にすべきと思われた。

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