日本口腔腫瘍学会誌
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動注, 放射線同時併用療法により顎骨切除を回避できた下顎歯肉癌の1例
18FDG PETによる治療効果判定―
星 秀樹関山 三郎柴崎 信船木 聖巳三沢 肇佐藤 方信
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2002 年 14 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

我々の施設では, 口腔癌に対して機能温存, 形態温存を目的に動注, 放射線同時併用療法を行っている。今回は, 一次治療時で腫瘍が消失し外科療法を行わずに良好な経過が得られている下顎歯肉癌の1例について報告する。
患者は65歳女性で, 初診時, 左側下顎歯槽部を中心に38×26mmの腫瘍を認め, X線所見にて下顎管におよぶ骨吸収を認めた。入院後, 浅側頭動脈カニュレーションを行い, PEP (総量48mg) , MTX (総量200mg) およびCDDP (総量100mg) の3剤併用化学療法と放射線療法 (Linac総線量40Gy) を行った。治療後臨床的に腫瘍は縮小, 消失し, positoron emission tomographyによる機能的画像診断による治療効果の評価でもCRと判定した。治療後2年2か月経過した現在, 再発, 転移は認めていない。

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