日本口腔腫瘍学会誌
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口腔癌再発症例の初期症状の検討
―特に再発と疼痛の関連について―
吉田 俊一内田 育宏小宮 善昭瀬田 修一莇生田 整治高久 勇一朗
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キーワード: 口腔癌, 疼痛, 再発
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2002 年 14 巻 4 号 p. 105-109

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抄録

口腔癌治療後の再発症例の初期症状について, 特に疼痛を中心とした自覚的初期症状と再発の関連について検討した。対象は1976年1月から2000年12月までに当科にて根治目的に治療した口腔癌のうち, 局所再発または頸部再発した50例とした。
臨床的, または病理組織学的に再発と診断した時期より以前に発現した症状を初期症状とし, その初期症状を自覚症状と他覚症状に分けて, 症状の種類と発現時期を検討した。特に自覚症状については, 口腔癌患者のうち再発・転移ともに認めなかった50症例を対照群として, 発現率を比較した。そして, 最後に自覚症状の治療法別, および進展度による出現率の違いを検討した。
結果は, 口腔癌再発症例50例のうち35例, 70%に何らかの自覚症状が発現し, そのうち32例が疼痛で, その発現時期は, 平均で再発診断日の44日前で, 他覚的症状の25日前と比較して, 有意に早期に発現していた。対照群50例と比較した場合, 再発症例は自覚症状の出現率は70%で, 対照群の14%と比較し有意に高頻度に自覚症状が発現し, その自覚症状の出現の有無は, 一次治療の方法や進展度とは関連が小さい結果となった。疼痛を中心とした自覚症状が, 治療法や進展度とは関係なく, 再発の早期発見に有効であり, 患者の訴えの要性を今更ながら再確認する結果となった。

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