日本口腔腫瘍学会誌
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下顎骨再建法と術後経過に関する臨床的検討
―再建にミニプレートおよび再建用プレートを使用した症例について―
田村 稔栗田 浩峯村 俊一倉科 憲治田中 廣一小谷 朗
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1993 年 5 巻 1 号 p. 48-59

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抄録

1986年1月~1990年12月の間, 信州大学医学部歯科口腔外科において施行された下顎骨再建術にともなって, 金属製プレートが使用された26症例につき検討を加えた。
26症例中22症例に対し下顎骨区域切除が, 4症例に対し半側切除が行なわれていた。また原疾患別には悪性腫瘍が19症例, 良性疾患が7症例であった。遊離骨移植, あるいは血管柄付骨移植・複合骨付皮弁等による下顎骨即時再建を行なった症例は7症例で, 同二次再建は9症例, そして再建用金属プレート単独での下顎骨再建は10症例であった。
再建の成功率は, 即時再建群100%, 二次再建群77.8%であったが, 再建用金属プレート単独での再建群では40%と低かった。多くの失敗例で認められた術後合併症は, 術後感染 (9例) , 金属プレートの皮膚露出 (3例) , 金属プレートの脱離 (1例) などであった。

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