日本口腔腫瘍学会誌
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10 MHz高分解能探触子による口腔癌頸部リンパ節転移のUS診断
林 孝文伊藤 寿介加藤 徳紀中山 均中村 太保新垣 晋星名 秀行
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1994 年 6 巻 2 号 p. 55-65

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抄録

1991年4月から1993年10月までの間に頸部郭清術を受けた口腔扁平上皮癌24症例に対し, 頸部リンパ節転移診断を目的として, 術前の臨床判定, X線CT, 10MHz探触子による高分解能の超音波断層撮影 (Ultrasonography, 以下US) を施行した。これらの所見を頸部郭清標本の病理組織学的検索結果と比較検討した。われわれは, USにおいてリンパ節の短径が8mm以上か, あるいは正常な高エコー構造, すなわちechogenic hilusを除くリンパ節実質部分が均一な低エコーでない場合に, 転移陽性と判定した。症例単位でのaccuracyは, US (96%) が臨床判定 (75%) およびX線CT (88%) を上回る成績を示した。またリンパ節単位では, USのsensitivity, specificity, accuracyは, それぞれ86%, 96%, 93%であった。病理組織学的転移陽性リンパ節56個をretrospectiveにUS像と照合した結果, 内部エコー所見を判定基準に採用することで, 短径8mm未満の16個の転移陽性リソパ節を検出しえた。本研究から, 高分解能の探触子を使用して頸部リンパ節転移を診断する場合, 判定基準に内部エコー所見を加えるべきと考える。

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