日本口腔腫瘍学会誌
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基底細胞癌のケラチンの免疫組織化学的分析
李 翠英岡本 吉史大村 仁利緒方 一昌森 昌彦
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1995 年 7 巻 3 号 p. 134-141

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抄録

顔面皮膚の基底細胞癌 (BCC) 9例についてケラチンのモノクロナール抗体 (MoAb) を用いて免疫組織化学的特徴について検索した。モノクロナール抗体はKL1, K8.12, K4, K7, K8, K10, K13, K17, K18, K19の10種類でABC法で証明した。基底細胞癌の分化の方向, または正常細胞と比較するために皮膚表皮, 毛嚢, 皮脂腺, 汗腺についても同様の方法で検討した。
正常皮膚の表皮と毛包の基底細胞はK8.12陽性, 棘細胞, 毛包細胞はKL1, K8.12, K10, K17陽性であった。汗腺の終末部はK7, K18が強陽性であった。基底細胞癌の腫瘍細胞はK8.12, K17が陽性で, その他のケラチンは陰性であった。この腫瘍細胞のケラチンパターンは毛根鞘上皮への分化を示し (K17) 口腔粘膜由来の扁平上皮癌 (SCC) のケラチンとは全く異なったケラチンの染色性を示していた。

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