日本口腔腫瘍学会誌
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舌癌の初回治療後13年目に発生した放射線誘発癌が疑われた悪性腫瘍の1例
中島 幹雄大関 悟大部 一成大石 正道松尾 拡
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1996 年 8 巻 2 号 p. 101-105

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抄録

舌癌の初回治療後13年目に出現し, 放射線誘発癌が疑われた症例を報告した。患者は61歳女性で, 右舌腫瘍に対し60Gyの放射線治療を受けた。7年後, 再発舌癌が出現し, 総計82.5Gyの照射を受けた。
初回治療から13年後, 最初は粘液嚢胞様に皮弁に近接して腫瘍が出現し, 急速に外向性に増大した。1993年手術を行った。病理組織学的に部分的に間葉系腫瘍を思わせた。腫瘍の由来を決定することは難しかった。発生場所, 潜伏期間, 病理組織所見において酒井の分類から放射線誘発癌が考えられた。

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