日本口腔腫瘍学会誌
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17年の間隔を経て両側耳下腺部に生じた腺リンパ腫の1例と文献的考察
平野 裕一小山 貴司福田 廣志橋本 賢二
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1996 年 8 巻 4 号 p. 319-325

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抄録

腺リンパ腫は, 唾液腺腫瘍の約5%を占める。本腫瘍は, 緩慢な発育を示す無痛性の腫瘤で, 大多数は, 片側性に, 耳下腺浅葉の下極部に発生する。しかし, 約7%に, 両側性発生をみることがある。このことは, 他の唾液腺腫瘍では両側性に発症する例がほとんどみられないことから, 本腫瘍の特徴を表している。今回, 我々は, 17年の間隔を経て両側性に発生した腺リンパ腫の症例を経験したので報告する。
症例は, 51歳男性, 1979年12月, 左側耳下部の腫脹にて当科紹介来院。左耳下腺下部に, 緩慢な発育をする, 無痛性, 弾性軟, 可動性の腫瘤を触知した。腫瘍摘出術施行し, 病理組織学的に腺リンパ腫と診断された。興味深いことに, 1995年9, 月, 右耳下腺下部に, 左側と同様の腫脹を感じるようになったため, 当科を再診した。CT検査の結果, 病変は局所的で, 他の臓器へ浸潤するような像はなかった。以上より良性腫瘍と判断し, 腫瘍切除術を施行し, 腺リンパ腫と診断された。この症例において, 腫瘍発生部位と時期の違いを除いて, 両側耳下腺腺リンパ腫の臨床的および病理学的所見は同じであった。

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