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日本小児アレルギー学会誌
Vol. 21 (2007) No. 3 P 281-288

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http://doi.org/10.3388/jspaci.21.281

原著

気管支喘息における最も主要な病態は気道の慢性炎症であり,小児も同様と考えられている.従って吸入ステロイドによる長期管理は,持続型の喘息児において中心的位置づけを担うに至った.今回我々は小児にて懸念される代表的な全身性副作用である身長抑制に関して,乳幼児を対象とし後方視的に検討を行った.対象は6歳未満の乳幼児(平均3歳11ヶ月)で,初の吸入ステロイドとしてプロピオン酸フルチカゾンを開始し,少なくとも6ヶ月間継続使用した64人の喘息患者である.診療記録,母子手帳,通園先の健康手帳をもとに計測値を集計し,フルチカゾンの使用量,使用期間と成長との関連性を検討した.平均投与量は109.5μg/日,最長使用期間は48ヶ月であった.有効性に関しては吸入ステロイドにより,有意な症状の改善が認められた.ステロイドの使用量・使用期間毎の検討で,有意な成長抑制は認められなかった.フルチカゾン吸入は乳幼児においても安全に長期使用することが可能である.ただし実際の診療においては症例毎に成長をモニターすべきと考える.

Copyright © 2007 日本小児アレルギー学会

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