日本小児アレルギー学会誌
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第46回日本小児アレルギー学会シンポジウム1 食物アレルギー:診断と治療の標準化に向けての軌道設計
血中抗原特異的IgE抗体測定の現状と今後の課題
伊藤 浩明
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2010 年 24 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

食物アレルゲン特異的IgE抗体検査は,患者血清中の特異的IgE抗体を高感度に検出して,食物アレルギーの診断に対する感度は比較的良好である.一方,抗体陽性であっても誘発症状を認めない偽陽性がしばしば存在し,臨床現場ではある抗体価以上であれば食物アレルギーと診断できる確率(陽性的中率)を参考にすることが限界である.しかし,食物間の交差抗原性を考慮して複数の食品の抗体価を比較することにより,経口負荷試験に頼らなくても診断精度を向上させる工夫ができる.さらに,アレルゲン成分別に抗体価を測定して,感度・特異性に優れた検査を開発する研究が進められている.

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© 2010 日本小児アレルギー学会
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