日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008解説「ガイドラインをどう読むか」
第13章 小児の肺機能
望月 博之
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2010 年 24 巻 3 号 p. 341-348

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抄録

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(以下,JPGL)は対象を小児に絞り,乳児から思春期までの喘息の年齢層別の特徴を考慮した,簡潔明瞭な喘息の治療,管理のためのガイドラインで,近年,広く活用されている.最新の2008年版では重症度の評価法や治療ステップに関しての改訂が行われたが,第13章「小児の肺機能」においても,最近の知見を踏まえた改訂が随所で行われている.基本的な肺機能検査として,ピークフローモニタリングやスパイロメーターを用いてのフローボリューム曲線,パルスオキシメーターによる酸素飽和度の測定について解説されているが,気道過敏性の測定やインパルス・オッシレーション法による呼吸抵抗の測定,さらに呼気中一酸化窒素(exhaled nitric oxide; eNO)濃度の測定についても言及されている.肺機能検査は,喘息の診断だけでなく重症度の判定にも重要であるが,さらに長期管理における治療のステップアップやステップダウン,患者教育の向上のためにも,これらの検査を適切に用いて肺機能を客観的に評価することが薦められる.

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© 2010 日本小児アレルギー学会
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