2010 年 24 巻 3 号 p. 373-380
近年,女性の社会進出は目覚ましいが,女性医師が第一線で活躍するにはいまだ多くの問題を解決しなければならない.それは家族・社会のサポート,職場の理解,本人の仕事への熱意により成り立つ.私は子供のいる女性医師の一人として,現在,相模原病院で研究をしている.これまでに末梢血好塩基球を用いた食物アレルギーの診断法の検討を行い,食物アレルギーの耐性獲得診断にヒスタミン遊離試験および好塩基球活性化マーカーCD203c発現量の測定が有用であること明らかにし,2年前からは経口減感作療法の機序解明に関する検討を行っている.私は子供をもつ女性医師の一事例にしかすぎないが,本稿が志のある女性医師へのささやかなアドバイスになれば幸いである.