日本小児アレルギー学会誌
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第47回日本小児アレルギー学会シンポジウム6 アレルゲンとしての食品
進化するアレルギー診断学 Component-resolved diagnostics
猪又 直子
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2011 年 25 巻 1 号 p. 36-49

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抄録

アレルギーの診断は,従来,ソース単位で行われてきたが,近年コンポーネント単位にまで分けて診断するComponent-resolved diagnostics(CRD)という考え方が提唱されるようになった.食物アレルギーにおいて,CRDは,既存のアレルギー検査で十分とはいえなかった診断効率を改善させうるほか,臨床的特徴(病型や重症度,予後)や交差反応の推定に有用である.また,これまで植物性コンポーネントの基礎研究では,交差反応の識別のために,マーカーアレルゲンというコンセプトが導入されてきたが,最近では交差反応以外にも臨床上重要な意味をもつコンポーネントをマーカーとしてCRDに活用しようと考えられている.さらに,測定系については,単一コンポーネントによる診断のほか,マイクロアレイ法の技術を応用して複数のコンポーネントを網羅的に解析する検査法の開発も試みられている.将来,CRDの診療への応用がさらに進めば,個々の患者ごとに精緻な診断や治療を提供できるものと期待される.

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© 2011 日本小児アレルギー学会
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