日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012
第4章 危険因子とその予防
荒川 浩一
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ジャーナル 認証あり

2012 年 26 巻 4 号 p. 633-639

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抄録
近年の喘息に対する薬物療法の進歩は著しく,薬剤の適切な使用は患者の症状のコントロールやQOLの改善に大きく寄与している.ただ,往々にして薬物療法にのみ目が向いてしまい,環境調整等の指導が忘れがちになっている感がある.特に,吸入ステロイドが普及してから,その印象が強い.喘息の増悪に関わる室内塵ダニを含めた吸入アレルゲンや非特異的因子(タバコの煙,その他の大気汚染)の暴露からの回避を怠ることは,喘息の重症化あるいは難治化をもたらす.また,良好なコントロールを得るために必要以上の薬物療法を要することにもつながる.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012における長期管理の基本的な考え方は,薬物療法のみで構成されるものではなく,環境整備や教育活動と一体で進めるべきであると記載している.第4章では,「危険因子とその予防」として喘息の発症・増悪因子について解説し,その予防に向けた提言がなされている.
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© 2012 日本小児アレルギー学会
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