日本小児アレルギー学会誌
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総説
小児アレルギー性鼻炎の疫学,診断,治療について
藤枝 重治大澤 陽子坂下 雅文
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2013 年 27 巻 2 号 p. 139-148

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抄録

小児のアレルギー性鼻炎の診断は,5歳未満の未就学児において難しい.とりわけ3歳未満は,感染性の鼻炎との鑑別がつきにくく困難を要する.実際には,抗原特異的IgEの検出と詳細な問診が必要である.最近本邦では,アレルギー性鼻炎の低年齢化が問題となっている.我々は1歳6ヵ月検診(408名)を利用した疫学調査を行った結果,ダニ・ネコ・スギいずれかの抗原特異的IgE陽性者は,計10.7%であった.また鼻汁中好酸球陽性者は,7.1%であり,両者が陽性であったのは2%であった.最近,小児において数種類の第二世代抗ヒスタミン薬が保険適応になり,治療しやすくなった.鼻閉に関しては抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイドの併用が良い.スギに関しては舌下免疫療法が保険申請中であり,12歳以上は治療の選択が広がる.

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© 2013 日本小児アレルギー学会
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