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日本小児アレルギー学会誌
Vol. 28 (2014) No. 1 p. 87-96

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http://doi.org/10.3388/jspaci.28.87

プロ・コンディベート3

近年,食物アレルギーの治療法として経口免疫療法の有効性が報告されている.
当院ではこれまでに少量で重篤な症状が誘発される鶏卵76例,牛乳109例,小麦37例に対して急速法を施行した.5日間の入院後に目標量を摂取できるようになった(脱感作状態)のは鶏卵63.0%,牛乳61.3%,小麦71.0%であった.1年後は,鶏卵97.2%,牛乳60.1%,小麦93.3%が脱感作状態にあったが,臨床的耐性獲得率は,鶏卵40.5%,牛乳10.8%,小麦46.7%にとどまった.
OITは,長期的には多くの症例で脱感作状態へ誘導可能であり,アナフィラキシー対策の観点からは有効な治療と考えられるが耐性化に関してはさらに長期的な治療が必要であると考えられる.一方で,急速法は急速期のみならず維持期にも時には強い全身症状が誘発されることがあり,現在のところ治療反応性の予見因子も不明である.治療効果および安全面から考えると短期の入院期間に摂取量を増量することよりむしろ長期間の治療継続の方が重要であると考えられ,今後はより安全かつ治療効果が高い急速法に代わる治療が求められる.

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