日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
シンポジウム3 食物アレルギー克服の未来
新しいデバイスによる経皮免疫療法の可能性
岡田 直貴
著者情報
ジャーナル 認証あり

2015 年 29 巻 1 号 p. 49-53

詳細
抄録

近年,自然寛解しない小児食物アレルギーが増加している.これらの患児と家族は連日の除去食という不自由に加え,微量の誤摂取によるアナフィラキシー誘発の恐怖と危険を常に抱えており,毎日の生活において多大な疾病負担を強いられる.根本的治療法の確立はまさに切望されているところであり,アレルギー医療分野でも最優先課題といえる.そこで筆者らは,経皮ワクチン(貼るワクチン)の開発研究で培ってきた経皮抗原デリバリー技術を活用することで,ニーズの高い牛乳と鶏卵アレルギーに対する経皮免疫療法の確立と奏効機序の解明に取り組んでいる.本稿では,まず筆者らが独自に開発した経皮抗原送達デバイス(親水性ゲルパッチ)の特徴・性能について概説し,それを応用したアレルゲン経皮免疫療法の可能性・将来性について紹介する.

著者関連情報
© 2015 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top