日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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原著
卵白未摂取アトピー性皮膚炎乳幼児に対するオボムコイド減量加熱全卵ベビーフードの安全性
犬尾 千聡森 雄司近藤 康人田中 健一中島 陽一川井 学山脇 一夫木村 守柘植 郁哉宇理須 厚雄
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2017 年 31 巻 2 号 p. 135-140

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抄録

 【背景】アトピー性皮膚炎に罹患した乳幼児は鶏卵アレルギー発症のリスクが高い. オボムコイドを減量した加熱全卵を含むベビーフードのアトピー性皮膚炎の乳幼児に対する安全性を評価した.

 【方法】卵白未摂取のアトピー性皮膚炎乳幼児に対し, オボムコイド減量加熱全卵を含有するベビーフード1瓶を用いた経口負荷試験をオープン法で行った.

 【結果】対象症例は46症例 (男児24例, 女児22例), 中央値はそれぞれ年齢10.0か月 (9~21か月), 卵白特異的IgE 10.1UA/ml, オボムコイド特異的IgE 0.21UA/ml, 血清TARC 1,553pg/mlだった. 負荷試験では43例 (93.4%) が症状なく全量摂取できた. 3例が全量摂取後に軽微な皮膚症状を呈したが, 再試験では症状誘発はなかった.

 【考察】オボムコイド減量加熱全卵を含有するベビーフードは, アトピー性皮膚炎乳幼児が安全に摂取できることが示唆された. 今後はオボムコイド特異的IgE高値の乳幼児に対する安全性の確認が必要である.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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