【目的】特異的IgE抗体の多項目同時測定検査の新しい評価法を探索した.
【方法】小児ボランティア186名 (平均11.6歳) と治療中の喘息児164名 (平均10歳), 計350名を対象とした. マストイムノシステムズⅢ (MAST-33) による特異的IgE抗体と総IgE値, 末梢血白血球数, 好酸球数, 呼気NO, スパイロメトリーを測定した. MAST-33データでk-means法によるクラスター分析を行った.
【結果】4つのクラスター, 1 : 食物を含む多抗原感作, 2 : ペット陽性の吸入抗原感作, 3 : ペット陰性の吸入抗原感作, 4 : 低感作 (スギのみ) に分類された. 総IgE値と感作抗原数はクラスター1が最も高かったが, 白血球数, 好酸球数 (%), 呼気NOはクラスター2が最も高かった. 喘息はクラスター2に, 季節性アレルギー性鼻炎はクラスター1, 3, アトピー性皮膚炎と食物アレルギーはクラスター1に多くみられた.
【結語】クラスター2は喘息に特徴的と考えられた. 多抗原同時測定の特異的IgE検査は感作パターン同定に有用である.