日本小児アレルギー学会誌
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原著
モンテルカストの内服後に睡眠時遊行症様症状を呈した7歳男児例
大仲 雅之西川 宏樹石原 万理子西山 敦子吉田 さやか
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2018 年 32 巻 1 号 p. 96-101

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抄録

 気管支喘息診療において, ロイコトリエン受容体拮抗薬 (leukotriene receptor antagonist : LTRA) は, 重症度を問わず, 単独もしくは吸入ステロイド薬との併用薬として幅広く推奨されている. 一般に副作用は少ない薬剤であるが, 代表的なLTRAの1つであるモンテルカストの添付文書には, 頻度不明の副反応として異夢や夢遊症の記載がある. 今回われわれは, モンテルカスト服用後に睡眠時遊行症 (夢遊症) 症状を呈した症例を経験した. 症例は7歳男児. 食物アレルギーのため外来で経過観察中であったが, 某年9月ごろ, 起床前の激しい咳嗽が持続するようになった. アレルギー歴, 環境抗原への感作, 咳嗽の様式などから気管支喘息症状と考え, モンテルカストの内服を開始した. 内服開始後2日目から2日続けて睡眠時の異常行動を認めた. 内服を中止したところ, 症状は速やかに消失したことから, モンテルカスト関連の睡眠時遊行症様症状と思われた. モンテルカストによる同様の報告はまれであるが, 他の精神神経症状を生じることもあるとされており, 処方開始時には注意を喚起する必要があると思われた.

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© 2018 日本小児アレルギー学会
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