日本小児アレルギー学会誌
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食物アレルギー委員会報告
CQ2 IgE依存性牛乳アレルギー患者において,経口免疫療法は完全除去の継続と比較して有用か?
川本 典生房安 直子佐藤 幸一郎三浦 太郎鈴木 修一中村 俊紀山本 貴和子二村 昌樹岡藤 郁夫山田 佳之海老澤 元宏
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2021 年 35 巻 3 号 p. 304-318

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抄録

IgE依存性牛乳アレルギーにおける経口免疫療法(OIT)が牛乳の完全除去の継続よりも有用かどうか,システマティックレビュー(SR)により検討した.検索期間が2012年10月1日までの先行のSRから無作為化比較試験(RCT)を抽出し,それ以後2019年3月までのRCTをCENTRAL,MEDLINE,Embase,医学中央雑誌から追加検索した.既報のSRから5報のRCTを選択し,4報のRCTを追加で選択した.摂取量の増加した患者数,日常摂取量(200mL)への脱感作を得られた患者数ともに,牛乳OITの有用性が示された.sustained unresponsivenessを評価した論文はなかった.重篤有害事象の記載はなかったものの,有害事象とアドレナリンの使用はOIT群で有意に多かった.免疫学的変化の評価項目はばらつきが多く,メタ解析できなかった.方法や対象が一定でなく,安全性については注意が必要だが,OITは症状誘発閾値上昇や日常摂取量の脱感作の点で完全除去の継続と比べて有用と考えられた.

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© 2021 日本小児アレルギー学会
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