日本小児アレルギー学会誌
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原著
思春期アレルギー児のレジリエンス尺度開発
清水 美恵今井 孝成松本 勉野々村 和男神谷 太郎岡田 祐樹本多 愛子
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ジャーナル 認証あり

2022 年 36 巻 5 号 p. 499-507

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抄録

【目的】心理的葛藤のさなかにある思春期アレルギー児が療養生活を送るうえでレジリエンス,すなわちダメージからの回復力は重要である.しかしアレルギー児のレジリエンスを測定する尺度はない.本研究では,思春期アレルギー児のレジリエンス尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検証する.

【方法】対象は,協力医療施設に通院中の小4から中3のアレルギー児とした.調査は質問紙を用いて2021年9~11月に実施した.尺度原案を作成し,項目分析で得られた尺度項目に対する探索的因子分析,確認的因子分析を行った.

【結果】621部を配布し,有効回答179名を分析対象とした.対象アレルギー疾患は,気管支喘息136名,食物アレルギー83名,アトピー性皮膚炎80名であった.思春期アレルギー児レジリエンス尺度は4因子(問題解決志向,探究志向,自然体志向,ネガティブ感情の共有)15項目で構成され,信頼性と妥当性が確認された.

【考察】アレルギー児のレジリエンス尺度を開発した.移行支援など関係する研究で活用が期待される.

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© 2022 日本小児アレルギー学会
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