17 巻 (2003) 3 号 p. 246-254
1歳児のアレルギー性疾患の発症に影響する要因を解明するため, 問診票により, 母親の妊娠分娩歴, 栄養, 予防接種歴, ペット, 喫煙環境, さらに児の罹患歴を調査した. 母親の妊娠中の感染症状の中では発熱, 咳, 咽頭炎を有する場合アトピー性皮膚炎または喘息 (喘鳴), 喘息 (喘鳴), アトピー性皮膚炎がそれぞれ有意に多く発症した. さらに, 母体の感染頻度が高いほどアレルギー疾患の発症が増加した. 妊娠中の母体のアレルギー症状数が多い程, 児のアレルギー発症率は高くなった. 生後, 母親がアレルギーをもつ場合, 児が高率にアレルギーを発症し, それは母親が多数のアレルギー症状を持つ場合著しかった. 家族のうちアレルギーを有する人数と児のアレルギー発症率は相関した. 予防接種に関しては三種混合の接種回数が少ないほどアレルギーが発症しやすく, BCG非接種群では接種群に比べてアレルギーの発症が有意に多かった. 以上より, 出生前後の母親の感染症状・アレルギー症状や児の予防接種のほか, 遺伝的要因が児のアレルギー発症に関与することが示唆された.