日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息患者における DSCG+procaterol とDSCG単独の定期吸入療法の長期効果
板澤 寿子足立 雄一伊東 道夫松野 正知山元 純子村上 巧啓五十嵐 隆夫宮脇 利男
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2004 年 18 巻 5 号 p. 571-577

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抄録

小児気管支喘息の長期管理におけるDSCG+β2刺激薬の定期吸入療法の効果は以前からよく知られており, 本邦のガイドラインでは軽症持続型から使用可能である. しかし, 今までに比較的軽症者における長期間にわたる DSCG+β2刺激薬の定期吸入療法の有効性についての報告はない. そこで, 軽症・中等症持続型患者 (平均3.7±2.0歳) を DSCG+procaterol 群 (11例) とDSCG単独群 (12例) に分け, 吸入開始前4週間と後24週間の発作点数を比較した. 最終的には, DSCG単独群2名が DSCG+procaterol 群に移行したが, 全体としては両者とも同様に有効であり, 吸入開始早期は DSCG+procaterol 群の発作点数がより低値であった. 全経過中に動悸・振戦などの副作用はなく, また症状の再燃も認めなかった. 以上より, DSCG+procaterol 定期吸入療法は軽症・中等症持続型において有効であり, 長期間使用でも比較的安全であると考えられたが, 気道過敏性への影響に関しては今後の検討課題である.

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