日本小児アレルギー学会誌
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Azelastine およびDSCG投与が気管支喘息児の気道反応性に与える効果の検討
重田 誠森川 昭廣館野 幸司木村 利定
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1990 年 4 巻 2 号 p. 160-165

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抄録

小児気管支喘息患者26名に抗アレルギー剤である Azelastine および disodium cromoglycate (DSCG) を投与して, 気道過敏性の変化をヒスタミン吸入試験により測定した. 対象を Azelastine 投与群, DSCG投与群, および抗アレルギー剤非投与群に分類し, それぞれの群に Azelastine 2mg×2/日投与およびDSCG 1cap (20mg)×4/日吸入, 抗アレルギー剤非投与を12週間行いその前後でヒスタミン吸入試験を行なって気道感受性閾値を求め気道過敏性の指標とした. 試験開始前と12週後のヒスタミン吸入閾値は抗アレルギー剤非投与群では, 統計学的な有意差は認められなかったが, DSCG投与群および Azelastine 投与群では試験の前後で, それぞれ吸入閾値の有意な改善が認められた. この結果から吸入のみならず経口の抗アレルギー剤の連続投与も, 気道過敏性の改善に関与する可能性が示唆されるものと思われた.

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