日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息におけるテオフィリン徐放剤の1日1回投与法の有用性についての臨床的研究
増田 敬岩崎 栄作向山 徳子馬場 実
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1991 年 5 巻 2 号 p. 54-61

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抄録

小児気管支喘息児 (7~14歳) を対象にテオフィリン徐放剤 (テオドール ®) を用い, 1日1回投与 (OD投与) 法の臨床的有用性について薬物動態, 肺機能の面から1日2回分割投与 (BID投与) 法と比較検討した. その結果, 就寝前 (9:00PM) 内服のOD投与における Tmax は平均8.6時間, Cmax は18.3μg/ml, Cmin は3.4μg/mlであった. 9:00AMと9:00PMに内服のBID投与と比較すると5:00AM, 7:00AM, 9:00AMにおける血中濃度は有意 (P<0.01) に高かった. ODとBID投与の Cmax 間には相関 (r=0.660, P<0.05) が認められ, OD投与はBID投与の1.7倍であった. しかし, Cmax には個人内変動が認められることから, 臨床的には血中濃度モニタリングによって投与量を補正していくのが望ましい. 肺機能は, 5:00AMにおいて有意な改善を示した.
以上の結果からRTC療法としてはテオドールではBIDが必要であるが, morning dip を予防する上では1日1回投与法は有用な治療法であると考えられる.

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