日本小児アレルギー学会誌
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アトピー性皮膚炎を有する乳幼児に対するケトチフェンの喘息発症予防効果
廣田 常夫古庄 巻史
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1991 年 5 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

中等症~重症のアトピー性皮膚炎を有し, 気管支喘息と考えられる気道症状の既往がない乳幼児73例を対象として, ケトチフェン内服による喘息発症予防効果をみた. これらの乳幼児を抗アレルギー剤を内服しないコントロール群33例 (男児17例, 女児16例, 平均年齢10.8カ月) と1年間ケトチフェン0.8mg/dayを内服するケトチフェン群40例 (男児21例, 女児19例, 平均年齢13.7カ月) に分けて, 1年後に喘息発症の有無, 血清IgE値の変化, ダニ, 卵白, 牛乳に対するRASTの変化などをみた. 喘息の発症率はコントロール群で発症なし21.2%, 小発作のみ63.6%, 中~大発作も起こしたもの15.2%, ケトチフェン群では, 発症なし45.9%, 小発作のみ43.2%, 中~大発作も起こしたもの10.8%でケトチフェン群のほうが有意に発症率が低かった (P<0.05). 血清IgE値の変化をみると, 1年後ケトチフェン群のほうが血清IgE値が上昇, 著増するものがコントロール群より有意に少なかった (P<0.001). しかし, ダニ, 卵白, 牛乳に対するRASTの変化には両群間に有意差はなかった.

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