日本小児アレルギー学会誌
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乳児期早期に特異的IgE抗体をスクリーニングする意義
食物アレルギーの早期発見と気管支喘息発症の予知
堀場 史也宇理須 厚雄和田 映子近藤 康人鶴田 光敏矢崎 雄彦増田 進小沢 徹
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1993 年 7 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

乳児期のアレルギースクリーニングのため特異的IgE抗体 (以下RAST) を検査する対象の臨床症状, 月齢ならびにRAST項目を決定するため, 生後6カ月以下の乳児255名 (男/女: 151/104) を対象に, 卵白, 牛乳, 米, 大豆, ヤケヒョウヒダニの5項目に対するRASTを測定した. 判定はいずれか1項目でも陽性 (RASTスコア2以上) であった場合にRAST陽性とした. 乳児期にアレルギーのスクリーニングの対象は, 湿疹とアレルギー疾患の家族歴のいずれか, あるいは, 両者を有している乳児で生後5カ月前後とするのがよい.
実施するRAST項目は, 最少項目数で行うとするならば, 卵白と牛乳を優先するべきである.
さらに, 乳児期RAST陽性者は気管支喘息発症率が陰性群と比較して高率であり, 気管支喘息発症 high risk 児と言え, さらに, 乳児期RAST陽性群の湿疹はRAST陰性群と比較して持続しやすいという結果が得られた.

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