日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
気管支喘息児が重症化後, 早期に施設入院療法を行った場合の効果
共通指標を用いた多施設検討
杉本 日出雄松田 秀一黒沼 忠由樹松江 信之矢野 南巳男西澤 和倫橋本 光司西牟田 敏之関根 邦夫山崎 宗廣蓮井 正樹上田 雅乃井口 光正宮野前 健渋谷 信治福田 清貴西川 清松本 修平教正院 靖子西間 三馨加野 草平久田 直樹鳴神 浩
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 9 巻 4 号 p. 282-288

詳細
抄録
施設入院療法を行った喘息児を通年性になってから2年以内と3年以上の2群に分け, 患者背景, 使用薬剤, 呼吸機能, 気道過敏性, 運動能力について, 入院時と退院時とで検討した. その結果, 1) 入院時には患者背景, 使用薬剤, 気道過敏性, 運動能力に差は認められなかったが, 呼吸機能は3年以上群で有意に低値を示した. 2) 入院時と退院時を比較すると, 両群とも施設入院療法により一部を除き使用薬剤は減量あるいは中止され, 検査成績も改善した. 3) 退院時の両群の検査成績を比較すると, 3年以上群では2年以内群に比べ, 一秒量, PEFR, V50, V25とアセチルコリン閾値が有意に低値を示し, 改善が劣っていた. 以上より喘息児が重症化した場合には薬剤による見かけの症状の改善に満足することなく, アレルゲンや気道刺激物の整備, 心身の鍛錬などを積極的に指導することや施設入院療法を考慮することが重要と考えられた.
著者関連情報
© 日本小児アレルギー学会
次の記事
feedback
Top