日本小児アレルギー学会誌
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最近3年間の集中治療室入院喘息児症例の検討
神田 康司武田 昭藤田 直也牛嶌 克実田中 秀典永井 幸代岸 真司石井 睦夫矢守 信昭山口 信行上村 治岩佐 充二安藤 恒三郎
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1995 年 9 巻 4 号 p. 289-293

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抄録

当院は救命救急センターとして地域の3次医療を担っており, 喘息重症発作児の発作前治療内容, 発作時の状況を検討することは今後の治療, 予防対策を考える上で重要である. 1991年1月から1993年12月までの3年間に8人がICUに入院した. 入院カルテを元にその患児の病歴, 治療歴, 検査成績を検討した. 3人にβ刺激薬のMDIが処方されていた. そのうち1人は死亡した. MDIが処方されていた3人の発作の始まりからICU入院までの時間は, 処方されていない症例より有意差はないが短い傾向にあった. 2症例はMDIが本人管理になっていた. その2症例の最初に採血できた血液ガスpH値は7.04と7.05と特に低く, 発作からICU入院までの時間も1.5と7時間と特に短かった. MDIが喘息発作の急激な悪化に影響を与えていた可能性も考えられる. MDIを処方する場合は使用状況もチェックして行くことが重要と考える.

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