2013 年 29 巻 3 号 p. 140-146
総合病院の循環器小児科としてわれわれの目指す専門医像は,搬送されてきた患者に迅速な診断と初期治療を施し,血行動態を安定化させたうえで精査のための画像診断を加え,心臓血管外科医と治療方針を立てる能力を有する臨床医である.われわれは修得目標を,外来診療,ECG,心エコー,心臓カテーテル検査・治療,重症心疾患管理などに大別し,修練医が一定期間内に基本的知識・手技を修得できるように努めている.しかしながら,大学病院,こども病院に比して規模が小さい総合病院循環器小児科では,症例数に見合う人員確保は難しい.その結果,修練医一人あたりの仕事量が過剰となれば,適切な修練プログラムの実践は困難となる.小児循環器専門医の育成環境を総合病院において整えるためには,修練医が「成長している」と感じられる修練プログラムを作成し実践することのみならず,修練医の恒常的な応募が得られるように情報発信していくことが重要である.