日本小児循環器学会雑誌
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特集
Heterotaxyの診断,病態,合併症
小川 潔
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2014 年 30 巻 2 号 p. 89-96

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抄録

Heterotaxyは胸腹部臓器が体の左右軸に対して異常な位置関係を示すことと定義され,複合心奇形や幅広い心外病変を伴う疾患群である.右側 相同では共通房室弁や円錐動脈幹異常,肺動脈狭窄/閉鎖,体・肺静脈還流異常が多く,左側相同では両側上大静脈,近位部下大静脈欠損を伴う奇静脈結合,心 室中隔欠損,房室中隔欠損,左室流出路狭窄が多い.左側相同では先天性心疾患を伴わないこともあり,合併する心疾患も比較的軽症であることが多 い.Heterotaxyは左右軸の発生異常によるが,その機序について近年急速に理解が進んだ.左右非対称に発現する遺伝子が突き止められ,ノードにお ける繊毛の一方向性の回転が左右対称性を破っていることが明らかになった.Heterotaxyに合併する先天性心疾患に対する外科治療の成績は改善した が,aspleniaでは新生児期の手術を乗り切っても,敗血症による死亡が問題となる.Heterotaxyの診断,病態,合併症に加え,病因に関する 最近の進歩を解説する.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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