2019 年 35 巻 4 号 p. 214-220
手術部位感染(SSI)はこれを治療するための人的および経済的コストを増加させる.しかしSSIの約半数はエビデンスに基づく戦略により予防できると推定される1, 2).本稿では,SSI予防策についてCDCを中心とした各種のガイドラインを中心に述べ,注意を喚起したい.おもにCDCガイドライン1999年版および2017年版に示される手術室の環境整備,術前の剃毛,消毒法,手洗い法,抗生剤予防投与,術中の注意点,術後創部の管理法などについて述べる.CDCをはじめとする各種ガイドラインに沿ってSSI予防に努め,手術の質を向上させることが求められる.