2025 年 41 巻 1 号 p. 3-10
Marfan類縁疾患とは,Marfan症候群と類似した症状や特徴を持つ遺伝性結合組織疾患を指し,Marfan症候群とともに遺伝性大動脈疾患(heritable thoracic aortic disease: HTAD)に含有される.近年の遺伝子解析の進歩により,これらの疾患の関連遺伝子が多く明らかになり,診断および重症度分類における遺伝子検査の重要性が増している.Marfan症候群は一生涯にわたって進行する多系統疾患で,遺伝科・循環器科・眼科・整形外科・胸部外科・産科の専門科チームと連携しながら,生涯にわたってフォローをする必要がある.また,年齢によって注意すべき症状が異なる.特に大動脈基部拡張の評価・治療が重要で,内科的・外科的治療の選択肢を踏まえながらフォローする必要がある.また,妊娠リスクに関する理解など,小児期から成人移行を見据えた管理が必要である.