小児歯科学雑誌
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臨床
乳歯癒合歯または先天性欠如と後継永久歯との関係
田中 丈也大東 史奈宮本 愛子桒原 康生
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2012 年 50 巻 3 号 p. 243-248

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抄録

日常の臨床において,乳切歯・乳犬歯の形態や歯数の異常は,直視が可能で確認しやすい部位であることから,保護者の関心も比較的高いと思われる。そこで,小児歯科を標榜するハート小児歯科に来院し,歯科的口腔管理中の小児(2000 年~2002 年に生まれた3 歳から6 歳未満・Hellman の歯齢ⅡA 期),2,017 人(男児1,014 人・女児1,003 人)を対象として,視診及びエックス線写真から,乳歯癒合歯または乳歯先天性欠如と後継永久歯の異常を診査し,検討を行った。乳歯癒合歯の発現頻度は68 名(3.37%),乳歯先天性欠如は28 名(1.39%)であった。部位別では,AB 癒合が44 歯で最も多く,次にBC 癒合の31 歯,AB 癒合は6 歯と少なく,BC 癒合は認められなかった。乳歯癒合歯における後継永久歯異常の発現は,28 人(41.2%),乳歯先天性欠如では21 人(75.0%)であった。AB 癒合における後継永久歯異常の発現は7 歯(15.9%)に対し,BC 癒合では22 歯(71.0%)にみられ,有意に高かった。

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© 2012 日本小児歯科学会
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