小児歯科学雑誌
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臨床
Hunter症候群(ムコ多糖症Ⅱ型)患児に行った歯科治療の1例
佐々木 究田中 睦青木 裕美近藤 有紀高橋 亜友美村井 雄司倉重 圭史広瀬 弥奈斉藤 正人
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2016 年 54 巻 4 号 p. 507-512

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抄録

Hunter症候群はムコ多糖症Ⅱ型に分類されるX 染色体連鎖劣性遺伝の非常に稀な疾患である。この疾患はグリコサミノグリカン分解酵素の欠損が原因で発症し,体内代謝産物が不完全に分解された状態で全身に蓄積され,様々な障害を引き起こす疾患である。 今回われわれは,8 歳8 か月の男児で齲蝕を有するHunter 症候群患児の歯科治療を経験したので報告する。本症例は通常の管理による歯科治療では血中酸素飽和度が著しく減少し,また全身麻酔下集中的歯科治療では気道抵抗が上昇し換気不能を引き起こした。本症例から,疾患の特徴を把握し,予後を考慮した治療計画をたてることが重要である。

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© 2016 日本小児歯科学会
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