小児歯科学雑誌
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パラチノース蜜の齲蝕誘発能
泉谷 明墨 典夫大嶋 隆祖父江 鎮雄
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1985 年 23 巻 3 号 p. 592-599

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抄録

スクロースをパラチノースに転換する過程中に副産物として得られるシロップ(パラチノース蜜: トレハルロース38.8% , パラチノース18.7% , その他の糖42.5%) の齲蝕誘発能をin vitroおよびラット実験齲蝕系で調べた。
供試菌にS.mutan MT8148R (血清型c) , 6715 (同g) 株を用い, in vitro 系では酸産生, ガラス平面付着, 粗GTase による不溶性グルカン合成への影響を調べた。また,18日齢のSDラットに両菌を感染させ, スクロース, パラチノース蜜, 小麦粉およびその混合物を含む飼料を与えて55日間飼育した。
その結果, S.mutans 株による酸産生, 不溶性多糖合成が示されたが, 一方, S.mutansのガラス管壁への付着とスクロースからの不溶性グルカン合成の阻害作用も認められた。動物実験による翻蝕誘発能は,スクロースの1/3-1/4と明白に低いものの,小麦粉やパラチノースのように非齲蝕原性とは認められなかった。また,パラチノース蜜はスクロースの齲蝕誘発能を増強も抑制もしないことが示された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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