小児歯科学雑誌
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食品の物性と摂食機能に関する研究
第1報 食品物性の器機的測定,並びに食品分類について
柳沢 幸江田村 厚子赤坂 守人寺元 芳子
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1985 年 23 巻 4 号 p. 962-983

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抄録

食物の物性が口腔の機能面,及び衛生面に与える影響…は大きい。本研究は口腔機能の発達並びに口腔における健康の維持,増進に関して食品の物性面から検討を加えるため,日常的に食べられている食品の物性上の特徴を同一規準で測定することにより,それらを客観的に把握,比較し,更に分類を行うことを目的とした。
測定にはテクスチュロメーターを用い,試料として選出した145種の日常食品のかたさ,弾力性,凝集性,付着性の4パラメーター(咀嚼時における力学的性質を示すと考えられるパラメーター)を測定した。得られた測定値より,パラメーター別のランク分け,及び主成分分析を用いてそれらの物性の特徴を総合した分類を試みた。かたさについては感覚的な評価との対応を明らかにするため,官能検査を行った。
その結果,日常食品のかたさの範囲は非常に広いものの,その分布はかたさの小さい方に集中しており,官能的にやわらかいと感じる食品が試料の60%を占めていた。又,芋類,果物類はかたさ,弾力性,凝集性が小さい傾向を示すのに対し,肉類はそのいずれもが大きい傾向が見られた。食品はそれぞれの物性上の特徴により,基本型,I型,II型,付着型,スポンジ型,ゲル型の6つの型に類別できた。この内,I型,II型,付着型,ゲル型については定量的に3グループに分けた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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