小児歯科学雑誌
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Visible Plaque Index(VPI), Gingival Bleeding Index(GBI)による児童を対象とした歯科保健指導の評価
辻 甫
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キーワード: VPI, GBI, 歯科保健指導, 児童
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1986 年 24 巻 4 号 p. 683-703

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抄録

学童期は生涯を通して健康な生活を営むための基本的な知識や習慣を育成する時期であり,保健教育の一環としての歯科保健指導の重要性が指摘されている。
そこで本研究は岐阜県各務原市立某小学校(調査校)の昭和55~58年度の在校児童約1,000名と,同市立某小学校(対照校)の昭和56・57年度の児童約900名を対象として行った。調査校では歯科医師が児童教育の専門家である教職員に歯科保健指導を行い,これら学級担任が学級指導の中で歯科保健教育を行った場合の教育効果について,AinamoらのVisible Plaque Index(VPI)とGingival Bleeding Index(GBI)を指標として検索した。その結果VPI,GBIともに経時的に有意な減少を示し,その回帰曲線は学習曲線における消極的加速度曲線と相似していることが認められ,対照校と比較しても有意に低い結果を得た.性差についても男子のほうがVPI,GBIともに有意に高いか,高い傾向をみとめ,女子のほうが刷掃習慣を身に付けやすい結果ではないかと考えられた。また,VPI,GBIに0を示す児童の頻度も経時的に増加を示した。
以上のことより,教職員らが歯科医師の協力のもとに十分歯科保健について学習を行ったうえで,小学校児童に対し継続的な歯科保健指導を実施した場合,十分な指導効果が期待できることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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