小児歯科学雑誌
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肢体不自由児の刷掃に影響を及ぼす要因に関する研究
第2報
大庭 優子野中 歩竹辺 千恵美堀内 信子武田 康男
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1988 年 26 巻 2 号 p. 282-285

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抄録
肢体不自由児の口腔刷掃には,本人の自発性が大きく関与しているといわれている.我々は,障害児教育で使用される進歩制度方式を用い,肢体不自由児に自立指導を行った.その結果から,自発性と口腔刷掃との関係及び本方式の口腔刷掃へ及ぼす効果について検討した.
5~20歳の50名の肢体不自由児を対象に食事自立の有無で自立刷掃群(26名)と介助群(24名)に分け,3カ月指導した.推歩制度の強化法として公表と報償を用い,指導効果の判定の為に,指導前後にPIとGIを検査した.その結果,次の結論が得られた.
(1)自立群の平均PIは統計学的に有意に改善し(P<0.01),社会的強化の方法が肢体不自由児集団の指導に有効であることを証明している.
(2) 脳性麻痺の病型と平均PIの変化との間には関連性は認められない.
(3)指導後PIとIQ,SQとの間には相関が認められる(r<0.05).とくに社会適応力の低い者ほどPIが悪化する傾向を示している.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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