1989 年 27 巻 1 号 p. 161-181
顎骨の左右非対称を伴う思春期の顎関節症患者3例を経験し,2例には,形態的・機能的改善を期待して,EMG Biofeedback療法を試みた。治療経過ならびに結果より,以下のことが考えられた。
顎骨の非対称は,咀嚼筋機能の不調和をひきおこし,顎関節症を発症させる原因となりうる。顎関節症症状は,Splint療法,咬合調整ならびに咬合再構成により改善できる。また,咬筋の活性化の為に用いたEMG Biofeedback療法では,形態的変化はみられなかった。機能的変化は認められたが,安定しなかった。